ひとつ

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処置がおわって、タクシーを呼び、自宅へ。 幸い母たちは寝ていて、 私を迎えてくれたのは、愛犬のラブだけだった。 私が帰ってきて、寝てたくせにめちゃくちゃしっぽをふって 歓迎してくれた。 見返りのない愛情を、私に注いでくれるラブを撫でていて。 不意に涙がこぼれた。 腫れて血だらけの目にしみて なおさら泣けてきた。 ラブの心配そうな顔に、 またなきたくなって。 唇をかんで我慢した。 心配かけて、ゴメンね? ラブ…。
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