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ギダの口が半開きになる。
二人しかいない空間に、イートの食べる音だけが静かに響く。
しばらくしてイートは、骨と爪を床に吐き出した。
「……まずくないけど……おいしくもなかった……」
どこか不満気に呟くイートに、ギダは乾いた笑いをこぼす。
「お前……凄いな。人間の肉なんて……」
「……?普通ですよ。肉なんてどれも同じです」
イートの返事にギダは笑った。
「確かに、ハハッ」
そして、魔武器のトンファーを取り出しイートに向けた。
イートも巨大フォークを構える。
二人は静かに対峙した。
先に動いたのはイートだった。
フォークを薙ぐように、ギダに振るう。
ギダは身軽に跳び、イートの背後に回る。
そして、その背中に強烈な回し蹴りを放った。
イートの小さな体は宙を舞い、なんとか床に着地する。
「いっ……」
「そんなデカイ武器だと小回り利かねぇだろ~」
ギダはトンファーで連続攻撃を行い、イートをじわじわと追い詰める。
イートはフォークを横に持ちそれを防ぐ。
イートの顔に焦りが浮かんだ。
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