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「ぷ…プリントを持ってきたんです。亜美ちゃんはいますか?」
いるにはいるはずだ。ただしまたベランダか押し入れのはず。とてもそんなことは言えない。
「亜美……たしか今日は病院に行っているんだ。渡しておいてやるよ」
とっさに口からでまかせを言う。亜美に合わせるなんてとんでもない。下手にお母さんに知られたら大変だ。
僕はプリントを預かると三人が帰ったのを確認して家に入る。幸いお母さんはいなかった。
亜美はボイラーの機械が置いてある狭い隙間に入っていた。プリントを見せてやると微かに目に光が戻ったような気がした。
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