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 そんな日々が一ヶ月続いたある日、お母さんが家中をピカピカに掃除し、妹の口に雑巾をつっこんで僕の部屋のクローゼットに押し込めて絶対、物音をたてるなと命じた。  避難所の塾から帰る頃にはテーブルに新しいクロスがかけられ、花を飾り、ごちそうが並んでいた。  こんなふうに豹変するのはお客さんが来る証拠だ。とても機嫌がよければ亜美もきれいな服を着させてもらってお風呂にもいれてもらえるが今回はその特権が与えられなかったらしい。
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