3/8
前へ
/23ページ
次へ
 お母さんが先に風呂に入るように言う。風呂からあがる頃には知らない男の人がリビングにいた。 「和志、だらしない格好でその辺歩かないでよ」  久々にお姉ちゃんを見たような感じがする。 「和志、こちらは祐美と結婚する樹さんよ」  お母さんがよそゆきの顔と声で説明する。相変わらずお芝居がうまい。お姉ちゃんもそれをわかった上でお母さんにあわせ、完璧な家族を演じていた。普段は会話などないくせに。 「よろしくね、和志くん」
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加