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「いえ、お母さんが謝ることはありませんよ。いつかあえる日が来ますよ」  よく回る頭と舌でうまく丸め込んだ。だからと言って僕たちは一概にほっとすることもできない。樹さんが帰ったあと何が起こるかわからないからだ。なのに姉さんはうまい具合にそれを回避した。 「‥‥私、彼を送ってくるね」  送るといっても駐車場までだ。  ドアが音をたてて閉め二人の姿が消えたとき家の中の空気が一変した。  すれ違いざまに僕のおなかに膝が入った。声を出せばさらに怒られると思い喉元で押さえ込む。
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