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 お母さんはまっすぐクローゼットの中の亜美に向かった。ストレス解消をするのだろうと言うことはこれまでのパターンから容易に想像できた。  僕はこれ以上、殴られないように、あとかたづけをすることにした。  部屋からは激しくぶたれる音。この音が続く限りは安全だとわかっていても体がこわばる。  お姉ちゃんが戻ってきた。慎重に台所にくるのがわかる。手伝いたいわけでもないが保身のために隣で皿洗いを始めた。 「‥‥お姉ちゃん、樹さんはいい人そうだね」 「‥‥そうね」
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