いつもの一日

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 今にもファミコンが泣きだしそうなその時、懐かしい音楽と共に軽快な動きでキノコを食うあの髭男がテレビに映る。  どうやら赤い帽子がチャームポイントの彼は、今年25周年を迎えたらしい。  テレビから視線を横にスライドしてみると少し顔を赤くして興奮気味のファミコンが居た。 「マ〇オ25歳だってさ! あいつすごい! 発売したときはこんな髭、絶対売れないと思ったのに!」 「一言余計すぎんだろ……まぁ俺も子供の頃よくやったし、マリ〇は面白いよな」  その瞬間、ファミコンの目が光る。 「じゃあ今日、〇リオね! あいつの誕生日だし!」 (いや、誕生日ではないだろ。多分。)  と、思ったがこいつがとても嬉しそうなので黙って付き合ってやることにした。 「ほらほら、早くカセットふーふーしてよ!」  まぁ、たまにはこんなのも悪くないだろ。
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