下女のシンデレラストーリー

3/48
前へ
/50ページ
次へ
「王子様がわたくしを大層、気に入って下さったのよ」 せっせと せっせと、今日もレースを編んでいたの。 朝、顔を洗いに出た時に見た、朝露に濡れた花が美しくて 手袋と靴下のお揃いのモチーフにしようと、忘れないうちに急いで編んでいたのよ? そしたら、 お姫様付の騎士様が、お姫様がお呼びだから粗相の無いようにって。 コテコテのモチーフが、お姫様の御手を傷付けてお怒りなのかしら? 私は脅えながら、登城用のお仕着せを着て、騎士様の後を追ったんだ。 お姫様のお部屋に通されて、怖ず怖ずと見上げたの。 だって、何が悪いのか分からなくて、どんな処罰をされるか 考えただけでも恐ろしいでしょう? なのに お姫様はご機嫌麗し‥過ぎて、ご興奮気味に私の手を取ったのだわ?  
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

91人が本棚に入れています
本棚に追加