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「王子様がわたくしを大層、気に入って下さったのよ」
せっせと
せっせと、今日もレースを編んでいたの。
朝、顔を洗いに出た時に見た、朝露に濡れた花が美しくて
手袋と靴下のお揃いのモチーフにしようと、忘れないうちに急いで編んでいたのよ?
そしたら、
お姫様付の騎士様が、お姫様がお呼びだから粗相の無いようにって。
コテコテのモチーフが、お姫様の御手を傷付けてお怒りなのかしら?
私は脅えながら、登城用のお仕着せを着て、騎士様の後を追ったんだ。
お姫様のお部屋に通されて、怖ず怖ずと見上げたの。
だって、何が悪いのか分からなくて、どんな処罰をされるか
考えただけでも恐ろしいでしょう?
なのに
お姫様はご機嫌麗し‥過ぎて、ご興奮気味に私の手を取ったのだわ?
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