下女のシンデレラストーリー

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どれでも素敵なお道具ばかり。 1番に眼に付いたのは 白いマーブルの、花の彫刻をあしらった化粧台 その上には 銀のトレイに納められた 銀の櫛 銀の手鏡 銀のおしろい壷 銀の装飾付きの瑠璃色の香水瓶 壷や絵画、お洒落な椅子とテーブルは いくつもいくつも有って、どれも素敵なものばかり。 宝石箱も無造作に、幾つも置かれているわ 欲張りなら宝箱を選んで、中身ごと頂戴してもいいわね。 「此処だけの話だが 姫様は飽きっぽいお方でな。 王家代々の由緒有る道具も、この通り 飽きてしまえばお払い箱なのだよ。 姫様に取って、ゴミにも等しい物だ。遠慮せずに選びなさい」 「あの、では、せっかくですから王家代々の物というのを。 私の部屋に邪魔じゃなくて‥ そうだわ。 レースのモチーフにする、花を飾る花瓶がいいです」 私の、命懸けのお仕事なのだもの。 どうせなら良いものを。 私の首を撥ねたら、当然回収するのでしょうしね。 だったら しばし、王家の夢を分けて頂くわ?  
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