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鏡をみて身嗜みチェック……うん、良し。
昨日は臭いのきつい食べ物は避けたし、歯磨きと舌ブラシをしたので口臭も大丈夫だ。
香りが強すぎないように香水はワンプッシュ。
「お前は虎だ!虎になるんだ!」
鏡に映る自分に自己催眠をかけて、気合いも十分だ。
友人に誘われて、参加することになった飲みオフ会。
あまり興味のないフリをしていたが、俺は本気だった。……いや、超本気だった。
もし今年中に彼女が出来なければ年明け早々俺は21歳になり、ヤラハタを通りすぎて……魔法使い予備軍になるからである。
顔や体型は自分で言うのもなんだが恐らく、至って普通。
もちろん特異な性癖があるわけでもない……っていうか性癖を披露する機会すらなかった。
多分こんなにモテないのは、女の子を前にするとあがってしまってろくに話も出来ないのが原因だろう。
しかし今日は酒の席だ。普段なら飲みに誘う前にあがってしまうが、オフ会ならばそんな心配はない。
酒が入れば愉しくなって、女の子を相手にしてもきっと平気なはずだ。
「この人素敵! 抱いて!」なんてことも無きにしもあらず、だ……!
「クヒッ……クフヒヒヒ」
思わず頬が緩む。
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