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「……でもごめんね、受験勉強あるのにいつも作ってもらっちゃって」
申し訳ない気持ちになり私が言うと、
「いや……お前にも毎日メシつくってもらってるから、そのお礼だと思ってくれればいいよ」
お兄ちゃんはそう言ってまだ温かい紅茶を飲んだ。
ちょっとだけ嬉しい気持ちになり、頬が少し緩んでいるのが自分でも分かる。
「じゃあ、そうさせてもらうね。……ねえ、そろそろ私にも作り方教えてくれない?」
「ダメ」
……こればっかりは、「もし教えて自分よりうまくなってしまったら良いとこがなくなる」
と、いつも即答で断られていたのだった。
今ならいけると思ったのに、くそう。
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