ep2:林檎のお菓子。

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……それを今、 聞いてみることにした。 「……え? おれが別のお菓子を?」 ティーカップを持ちながらお兄ちゃんはキョトンとして言った。 「そう。フルーツタルトとか、ショートケーキとか」 するとお兄ちゃんはちょっと困ったような顔になった。 「あー―……、と。無理だな、たぶん」 「どうして?」 「どうしてって言われても。 ……まぁ無理なもんは無理だ。 おれ、不器用だし」 「えー、試しに作ってみないとわからないじゃん」 もしかしたらうまくいくかもしれないのに、もったいない。 でも、私がどんなに言ってもお兄ちゃんは 「ムリムリ」と言い続けた。 ……お兄ちゃんのケチ。
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