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??「…トラックって揺れるのね」
トラックの荷台で、おそらく引越し途中なのだろう荷物に囲まれながら、1人の少女がぼやいている
少女「これはあれかしら、新手のイジメって奴かしらね?」
??「悪いな。経費削減だ」
少女「でしょうね」
ハァ、と少女が溜め息をつくと、運転席の方から男性の声が聞こえてきた
男性「ま、後30分もあれば着くだろ。もうちょっと我慢しててくれ」
少女「はいはい」
何とも心の込もっていない生返事である。だがそんな事は気にしていないようで、それきり2人の会話は無くなった…いや、少女が物思いに耽っているのを邪魔しないためだろう、男性の方も運転に集中している
男性「なぁ」
が、沈黙は5分と続かず男性の方から再び少女に話しかけて来た
少女「何よ?」
男性「お前の願いとやらの1つ目は叶えてやったんだ。確か3つあるって言ってたよな。できれば教えてくれねぇか?」
少女「そうね…」
少しだけ悩む素振りを見せたが、隠す必要も無いと判断した少女は、男性に答えを返した
少女「もう1つは、ホウエンのチャンピオンになる事…そしてもう1つは…」
少女は一旦言葉を区切り、何かを決意した顔ではっきりと答えた
少女「…アンタとあいつは結局引き分けに終わったけど、私は違う…あいつに、勝つ…これが私の最後の目標よマサトシ」
マサトシ「そうか…まぁ頑張れよドリー」
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