66人が本棚に入れています
本棚に追加
何がおきたんだ?体中が痛い。
視界が真っ赤だ
真っ赤?
頭に手を当てると手まで真っ赤になってしまった。
『・・・血だ』
前を見てみると十メートルぐらい先に大熊が吠えながら近づいてきていた。
あそこで避けられるなんてな・・・ツイてないわ。
多分アイツはわかってたんだろうな。攻撃がくることを。
なのに芝居しやがって。
まんまと引っかかっちまったじゃねえか。
さきほど、俺の攻撃が当たる寸前に大熊はそれを避けた。
そして腕をブン廻して腹に一発くらわしやがったんだ。
木にぶつかった衝撃で頭を打ったらしい。
クラクラする・・・。
どうしよう。体に力が入らねぇ・・・。
ついに目の前に大熊は立った。
ふん。仕方がないか。
命懸けの戦いなんてやったことがなかったんだ。上出来だよな。
狩りの先輩にはさすがに勝てないわ。
できれば、こんなことにはなってほしくなかった。
賭け事は嫌いなんだ。自信がないことって怖いだろ。
賭け事を快感にしてる連中の気がしれねーわ。
熊が攻撃体制に入った。
少しぐらい考える時間くれよな。これだから動物ってのは・・・。
っへへ・・・。
頼むぜ、俺の体。耐えてくれよ
『1:ザ・フレア』
ッドカァァァァァン
俺の意識はそこで途切れた───
最初のコメントを投稿しよう!