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あれから三日が過ぎた。
特にやることもなく、金もないし何かする気にもなれなかった。
この平和を崩したくなくて、満喫したかったんだ。
食料を奪われることもない。
寝所の心配、襲われる危険もない。
平和最高!
ただダラダラしているだけなのに、かなりハイテンションな俺。
当分は絶対に何もしねえからな!
何がおきよ・・・
ッバン
ドアの開く音が部屋に響く。
何故だろう。ただの音なのに、それが嫌な予感を生み出す悪魔の奏でる音にしか聞こえなかった。
『レインくーん』
『ウベホッ』
腹にダイナマイトを食らわされたような衝撃が響く。
こ・・・このやろう。
『ひ、ひたいよぉ』
『何度言えばわかるんだ?部屋に入るときはノックをしてゆっくりと、だよな?』
『ごめんなひゃあい』
頬を捻ることがミレィを止める簡単な方法だ。
手をブンブン振り回して抵抗はするが、無駄な抵抗。
謝るまでは決して離してやらないことにしている。
三日間ですぐに謝るようになってくれたので、離してやると赤くなった頬を両手で摩っている。
『んで、今日は何の用だよ?』
『あ、そうだったね。明日から始まる学園の準備しに行こうよ!』
『・・・・・・・・・・・・はい?』
俺の平和を壊すのには充分過ぎる一言だった。
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