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『マスター!連れて来たよぉ』
『拉致られた・・・』
『おぉ、早かったの。ほれ座りなさい』
『この状況で座れると思うなら頭を治療しろ!』
大まかな説明はマスターから聞いてほしいとミレィが言った後、俺は必死に抵抗した。
『学園なんか嫌だ!』『嫌よ嫌よは何とかだね』『違うから!引っ張るな!』『もー!さいしゅーしゅだん!』『うわっちょ!おーろーせー』『よーいしょっと♪』
こんな感じになり、今はマスターの目の前で逆立ちするかのように浮いている。
いつか・・・いつか、こいつら二人にぎゃふんって言わせてやる・・・。
逃げるそぶりを見せなくすると、普通に降ろしてくれた。
マスターと向き合う形で座り、すげぇ嫌そうな表情で見つめる。
『こらこら、そんな嫌そうな顔をするんじゃないわい』
『ふんっ。無理矢理連れて来られて気分が良くなる奴なんていないからな』
『まあ、少し手荒じゃったな。じゃが、こうでもしないと来んじゃろ?』
た・・・確かにそうだけど。
『お前さんの為を思ってのことじゃ。聞きなさい』
『はいはい』
『明日からお前さんは学園に通ってもらうことになっている。手続きも済んでおるからな』
『それが嫌なんだよ。前の世界じゃ仕方がなくだったけど、別にこっちじゃいらないだろ』
手続きがまで終わってることはスルーだ。今はどうでもいい。
『そんなことはない。常識や生きていく為の知恵、強くなる為にも行った方がいい』
『そんなのマスターが教えてくれればいいじゃん。ミレィだっているし』
『ワシも忙しい身なんじゃよ。ミレィに至っては・・・大丈夫と思うか?』
ん~・・・・・・
『思わない』
改めて考えたら無理だな。こんな小っちゃい奴に教わるのなんて。
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