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『でもさ~・・・・・・』
やっぱり学園なんて生きたくない。めんどくさい!
『これから必要となってくる。だから、言う通りにしなさい』
後押しするように迫ってくるマスター。
そりゃあ、言った方がいいとは俺も思う。
帰りたいとは思っていても、それがいつになるかわからないのだから知識は必要だ。
どうする、どうする?
沈黙が流れ、考え込んでいると先にマスターが口を開いた。
『予想はしておったが中々しぶといのう。ほら、一度決めれば楽じゃぞ?』
『最後に正直に答えてくれない?』
『なんじゃ?』
引っかかっていたこと。説明には納得できる部分が多かったけど、何故かこんな気がした。
『俺に嘘か隠し事してないか?学園に入ることで』
どうしても入らなければならないってことじゃないのに、マスターが必死過ぎる気がする。
俺が入ると言うまで諦めない。
そんな雰囲気を出している。
でも、隠しているなら教えてくれないかな?
『ミレィ、何で気づかれたんじゃろ?』
『わかんない。レイン君の勘が良すぎるんだね』
以外にもマスター達は隠すつもりはないようだ。
『ミレィの言う通りだよ。教えてくれるんだよな?』
『ああ。できれば伝えない方がいいかと思ったんじゃが、危機感を持ってもらうには言った方がいいかもしれん』
危機感・・・・・・。
この単語だけで俺には心当たりがあった。
あまり思い出したくない。
でも、決して忘れてはいけない事。
『学園に行かせる理由は』
そうであってほしくはない。
どんなことを言われても少しは関係しているだろうとは思う。
願わくば笑い話しであってほしい。
『お前さんを守る為』
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