第二章 下校時刻

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話が逸(そ)れたが、その時何よりも恐ろしかったのは、男子の殆(ほとん)どの奴等が、国語の授業中だというのに、なぜかハサミを閉じたり開いたりしていたり、カッターナイフの刃を出し入れしていることだった。 おーいお前ら、少年法は十二歳から適用されるから、未遂でもそれなりに罰せられるぞ~・・・・・・・・・・・・・・・・あれ、そうだっけ。 そいつらも何とかその時間は、流石(さすが)に授業中ということもあり、理性を保ってくれたらしい。 ということはその後が恐ろしくなる可能性が高いわけで、俺は死刑を宣告されて、執行の時を待つ死刑囚の如き面持ちで・・・・・・・・・・・・・・・・・いや、そう簡単にこういう例は使っちゃいけないな。 ともかく、極度に緊張した状態で、碌(ろく)に授業も耳に入らないまま、その魔の一限目を過ごした。 馬耳東風というやつか。
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