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高校二年生の冬。
寒さを痛感しつつ重い足どりで学校へと向かう。
ざくっざくっざくっ
雪が重たい足によって足跡が刻まれていく。なんか面白い。空を見上げるとさっきまで白かった雪が少し黒く見えた。灰色の空のせいだろうか。
ざくっざくっざくっぐりっ
固いような柔らかいような物を踏んだのと同時に俺は下を向いた。そこには黒いセーラー服に黒髪の少女が俯せに倒れていた。普通なら驚くだろう。でも俺は全く驚かない。
ため息をついて小さな声で話かける。
「おはよう木下。毎回毎回よくやるな。」
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