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放課後、安田はギターを持って誰にもバレないように屋上へ上がる。
教室やなく、もっと広いところでギターしたいと思っていた安田は、屋上という場所はとても魅力的だった。
屋上のドアを開けてみたら、真っ先に見えたのは空の青。そして、黒の彼だった。
高校の制服の学ランを身に纏う長い黒髪の彼は、グランドを見下ろしながらタバコを吸っていた。
渋谷…先輩や…。
錦戸がよくつるむ先輩の1人で、小さくて中性的な顔立ち、肩までにかかる長い髪が安田にはとても印象に残っていた。
最近はなかなか学校で見かけないと思っていた、まぁ、屋上にいたのなら見かけなくて当然だ。
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