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変わりに、アリスの手を取って胸に当てさせた。
「私もドキドキしてるんですよ。理由などなく、貴方だから」
人が人を好きになるのに理由はあまり関係ない。
それが生まれ変わった私に与えられた次の仕事なのかも知れない。
身を起こし、戸惑うアリスにキスをしようとした瞬間、鐘の音が聞こえた。
弾かれたようにアリスが立ち上がり、私の手が空をつかむ。
「カミュさん、魔族です。通達です」
その鐘の音は魔族出現を報せるものでしたか。人の楽しみの時間を奪うとはいい度胸してますね……
若干苛立ちながら座り直し、ため息をついて紋章に手をやる。
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