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 確かに私の紋章にも通達は来ていた。魔族出現時は、他の魔物などと違って警戒注意が全ギルドの人間に流れる。それは人の心の闇に漬け込むのが得意である事と、転移魔法が際限なく使えるので特に注意を呼びかけられている。  そもそも気位が無駄に高い種族なので、ギルドのように人が群れていると支配下に置きたくなる模様。  かつては私もそうだったので、非難しづらいのですが。 「珍しく大きな仕事ですね。でも正式に依頼ないと私は動けないんですよ、知ってますよね?」 「知ってます。でもどうせ呼ばれるんですから、さっさと行きましょう」  確かに呼ばれますし、魔族が従える魔物等の部隊は片付けるのに少々骨が折れる。  それよりも、キスはしたかった……  それぐらいの時間はあるでしょうに。そこまでして私から逃げなくても。
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