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「アリスさんきゅな。あれ、レインの奴は?」 「貴方が知らなければ存じ上げません。連絡は行っていると思いますが、忙しいのでしよう。まだ私の所にも召集来てませんし――まずいですね、相手の進行が早い」  私がそう言うと、アリスの顔色が曇った。彼女もまた少し魔族の血の通った者だ、同族が犯す罪が苦しいのだろう。  また一つ村が潰れかかっている。 「見てきますよ。見るだけなら上からは何も言われませんから」  そう言って、今まで着くずしていたローブを正した。 「わ、私も行きます!」  予想外のアリスの大きな声に、動きが自然と止まった。
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