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 ま、彼女の元へ行くのにいい都合ができて良いと言えばそうなんですが……女性の好意をネタに他の女に近づくのは気がひけるものです。  ギルドの広い中を無駄に歩き回って時間を無駄にするのも、手持ちが増えても困りますし、空間跳んでしまいましょう。  そう思って、紋章から彼女の位置を探り出す。  彼女――つまりはファリス・ライズハート、愛称アリス。私が一方的に好意を寄せている相手。これがまた奥手で、私の顔を見るなり背を向ける。決して嫌われている訳ではない、と思いたい。  と、思いたいけれど……  悩んでいても先には進まないので、アリスの位置へと移動する。  アリスはギルドの敷地内の公園にたたずみ、鳥と遊んでいた。その背中から広がる漆黒の翼は、太陽の光に照らされて七色に輝く。 「アリス」  一声かけると、鳥が逃げた。 「あ、カミュさん」
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