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「そうですね……お茶、いれますね」  アリスはそう言ってストックルームからお茶のセットを出した。  なかなか女性らしく、優雅。その柔らかそうな手に釘付けになる。 「ふぅ、落ち着きます。こうして貴方と一緒にお茶をするのが一番落ち着く」  そう言ったものの、間にお菓子を置いたのは失敗です。肩が抱けないですから。  私も男ですから、常に後悔と反省の日々です。  アリスはしばらくためらった後、やっとカップケーキを手にした。 「すみません。本当は私がもっと作れればいいのですが、あまり食事を必要としないので、うまくはできないのです」  魔族は霊体に近いせいか、食事をあまり必要としない。もちろん育った環境により、感覚的に必要とする者も居る。
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