初恋の君

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「澤田先生」 文化祭のことで、中等部の生徒会長・広瀬と話していたら女子生徒に呼ばれたので振り返る。 お、片桐か。 「おう、片桐か。掃除終わったのか」 「は、はい」 なんだ?えらく動揺してるじゃないか。 片桐の視線を目で追うと広瀬にぶつかった。 …はっはーん、なるほどね。 「………ん?」 待てよ?確か… 「片桐。お前、絵が得意だよな」 「え?は、はい?」 フッ、おもしれーぐらい動揺してる。 いいねぇ、若い子は。 「広瀬。彼女に頼むといい」 それだけ言い残すと、俺は職員室へと戻る。 最後にチラッと見た片桐の顔はポカーンと口を開けていた。 ククッ、なんて顔してんだ。 せっかく、オジサンがお膳立てしたんだ。 がんばれよ、片桐! 少し頬を緩めながら自分の席に戻る。 「あら、澤田先生」 …ドキッ
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