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ユイヒ・ノーヴェ。
それがこの世界の名前である。
ユイヒ・ノーヴェには数多くの国家が存在し、互いの利権を巡ってはしばしば衝突を繰り返していた。
戦乱に続く戦乱。
だがそんな中、神教国家ローレスだけは戦火とは無縁な、平和な日々を送っていた。
ユイヒ・ノーヴェには一つの決まり事があったからだ。
ローレスの中心、天に向かって延びる一本の白い塔。
その見える事のない頂上は天界へと繋がっており――
そこへたどり着けた者はなんでも一つだけ、神に願いを叶えてもらえるというのだ。
そのため、神の塔へと向かう者は後を絶たない。
誰もが譲れない願いを抱いて塔を登る。
そしてここ、アナヘル共和国にも、願いを持った旅人が――
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