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津島3尉は口をガタガタさせながら、藤堂の問いに答えていた。
津島「は…はっ!
職務怠慢における口頭指示を聞かなかったため、国防軍法第58条における……」
藤堂は、津島3尉の報告を無視するかのように、後ろの輝に問いかけた。
藤堂「彼の話は 本当か?」
輝は 少しふてくされたような顔をした。
輝「藤堂兄さんがそう思うならどうぞ~!
私が誰のために、一般将兵が着れない緑のブレザー着てるのかも知らないくせに。」
そう言うと、輝は藤堂から顔を背けた。
[[ちなみに、国防軍の制服には3種類ある。
1種[正装]、2種[普装]、3種[作業着]であり、1種・3種は陸・海・空、統合されているが2種は、軍歴準に色別される。
一般…ねずみ色、国防大学卒業・成績上位者…緑色、国防大学首席卒業者…黒色。]]
藤堂は、軽くため息をつくと 再び3人を睨んだ。
藤堂「そういう事だ。
今、初めて見たばかりの軍人と、20年間 暮らしてきた軍人。
どちらを信じるかどうかは、今の状況を見ても直ぐ判断できる。
今回の事は、警衛には報告しない。
その代わり………」
津島「その…代わり?」
藤堂「俺と輝の目の前に、二度と顔を出すな!!」
3人の軍人「ひ、ひぃ!!」
3人の軍人は、叫びとも了解の声とも解らぬような返事をし、足早に藤堂の前から姿を消した。
二人だけの運動場には、蝉の鳴き声だけが響いていた。
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