第0-1章~軍人として、兄として、男として

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3人の軍人が去った後。 藤堂は、とりあえず両手のたくさんの荷物を持ち替え、後ろの輝の方を向いた。 藤堂「輝、本当に大丈夫だったか?」 輝は咄嗟に、少し悲しそうな顔をした。 輝「大丈夫なわけないじゃん………。 5年間も私の前からいなくなってさ………。 手紙も寄越さなくなってさ………。」 藤堂「いや、そうじゃなくて、アイツらのことで…」 輝「藤堂兄さんのせいで、私もう…………」 輝の一言に、藤堂は慌てた 藤堂「ま、まさかアイツらに!!!?」 輝は、一瞬驚いたが、すぐに微笑んだ 輝「お馬鹿兄さん! ちゃんと藤堂兄さんのために処女は取ってますぅ!」 藤堂「お前なぁ…」 藤堂は呆れたように、元来た場所に向かって歩き始めた。 輝「あ、待ってよ!!」 足早に歩く藤堂を背中を、懸命に輝がついていく。 いつしか、この光景は この府中駐屯地でも昔、名物になっていたことを彼らは知らなかった。 ついた陰名は、シスコンエリート藤堂、ブラコンエリート輝。 藤堂 京平 と 九条 輝。 血も苗字こそも違えども、他人が介入できない程の兄妹を超えた関係。 やがて、その中途半端な関係が悲劇を生むことも 彼らはまだ若く知らなかった。
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