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謎の女3佐とのドタバタから数分後…。
藤堂は、府中統合司令部の脳でもある統合軍令部の扉を開けた。
府中統合司令部…国防陸・空・海軍の指揮・管理・警戒・通信等を司る軍事統率機関。
モニターばかり並ぶ広い室内。
しかし、モニターの割には人は数人程度しかいない。
……SIS、SIF、SIR…共にシステムは順調みたいだな。
そう、この世界の戦争の主役は5年前から様相を変えた。
最早、戦争の主役は旧世代の戦車や戦闘機…等ではなく画面の中の生きたシステム…………電子自律AI と呼ばれる次世代の戦争システムへと移行していた。
旧世代の戦争では、味方も敵にも犠牲は共に付き物であった。
しかし、この電子自律AIシステムの発足が[人を殺す戦争]から[人を殺さない戦争]へと発展させた。
藤堂は、ふと目の前のモニターに目をやった。
モニターの中には、ゴスロリ調の服を着こみ、頭に長く紫色のリボンをつけた少女が、右手人差し指を小刻みにくるくる回していた。
藤堂「お疲れ様!
SIS-009!!」
呼ばれた、そのモニター画面の中の少女は、指を回すのを止め、驚いた。
少女「な、なぜ私の型番を💦💦💦
わ、私の名前はリレイです‼😡
私達が秘密にしてる型番を口に出すなんて、貴方は一体……😱」
藤堂「君達の基礎を作った人。」
そう言うと、藤堂は静かに口笛を吹いた。
その瞬間、真横から大きなため息と呆れた声が聞こえた。
?「日本に到着して早々、誰に話しかけるかと思えば………さっそくお前さん方が作ったオモチャにかよ…」
藤堂は、微笑みながら その声のする方向に敬礼をした。
藤堂「藤堂 京平 特務2等陸尉!!
只今、研究渡米研修を終え、府中統合司令部に着任致しました。
九条陸准将もお変わりなく………。」
藤堂の堅苦しい挨拶に、また呆れたように、その厳つい顔の 見るからに職業軍人と解る男は、深いため息をついた。
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