第0-1章~軍人として、兄として、男として

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15分後、九条が自動扉を開けて顔を出した。 九条「すまないな。 待ったか、お前ら」 九条は、恐る恐る朝比奈の顔を見つめた。 朝比奈「45分36秒の遅刻です!! 部下は時間通りに来てるのに………。」 九条「秒単位かよ~!」 朝比奈「秒以前の遅刻です!!! とりあえず、ブリーフィングを始めます。 藤堂、附根 両2名は、本日 ヒトマルマルマル[10時]、府中駐屯地に輸送される特別電子管制車へ乗車、その後、管理運用権を第1師団から特務S課に移します。 管理運用権の移譲後、ヒトフタマルマル[12時]に第一次運用試験に入ります。 質問は?」 咄嗟に藤堂が手を挙げた。 朝比奈「やっぱり君ね。 どうぞ」 藤堂「質問が2つあります。 一つは、その電子管制車の運転手です。 私が電子自律AIの統制、附根陸曹長は通信となりますと、運転に手を回せません。 それと、もう一つ。 車種、車体特性も理解する暇も無しに、運用試験とはどういう………?」 朝比奈3佐が ばつが悪そうに 九条に目で助けを求めた。 九条「仕方ねぇなあ…。 二つ目の質問から答えよう。 車種は………」 藤堂「まさか、FSRVX-1じゃ?」 九条「日米機密を簡単に漏らすなよ…。 俺だって、昨日聞いたばかりだってのに。 嫌だな、ペンタゴン出は……」 九条は皮肉たっぷりに答えた。 藤堂「あれなら、この企画自大が失敗します。 あの車種は………。」 FSRVX-1…日本防衛工業JVが開発した初の電子自律AI電子管理指揮車。 乗員の安全確保を優先したため、電子自律AIの安全確保がなされておらず初手の実験演習にて、SISシリーズのAIが電磁波故障によりデリートされている。[計画だけで実用化はされていない] 九条「さすが、俺以上の機密保持者だ。 今回は、それじゃない。 ちゃんと親元に頼んである。 それに、管理権も俺らにあるんだ。 持ってきたら、後の整備は、お前らに任せる。 それと一つ目の質問の、運転手だが…………。」 九条は、自動扉の後ろ…廊下に顔をやった。 九条「入ってこいよ。」 そう、運転手は藤堂が一番知っている人物であった。
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