35人が本棚に入れています
本棚に追加
2020年7月14日 午前9時14分 国防軍管区・新東京都 府中市 府中駐屯地 第3グラウンド
ミーンミーンミーンミィィーン…
蝉の音が響き渡る夏の誰もいないグラウンド。
そのグラウンドの片隅、一本の緑葉広がる桜の木の下で、一人の軍服を着た少女と3人の若い男の軍人が 怒鳴り合っていた。
国防軍1曹「お前も解らない奴だな~。
いいから津島3尉殿と付き合えって言ってんのがわかんねぇ~の!?」
国防軍2曹「まったくですねぇ~!
津島3尉殿のどこが気に食わないのか…。」
二人の軍人に まくし立てられながらも、その白い肌の少女は二人の軍人を睨んだ。
少女の軍人「ぜ ん ぶ。
聞こえなかったら、もう一度、聞かせてあげる。
全部よ。
分かったら、薄汚い面を これ以上、私に見せないで」
そう冷たく言い放つと、その少女の軍人は、赤髪混じりの黒いショートカットヘアーを静かに左手で 振り払った。
少女軍人の名前は 九条 輝[21歳]。
外見は、15、6の痛いけな少女だが、内面は国防軍付属国防大学を成績3位で卒業し、同じく国防軍第3普通科連隊第3中隊所属の1等陸曹の階級を持つ。
そして、彼女をまくし立てるのは彼女の国防大学時代の元同期。
女性に飢える国防軍男性軍人にとって、階級が低い女性軍人は格好の餌食でしかなかった。
最初のコメントを投稿しよう!