第0-1章~軍人として、兄として、男として

3/18
前へ
/597ページ
次へ
冷徹な輝に、全てを拒否された津島3尉は、唇をひきつらせながら、輝に怒鳴った。 津島「俺が、お前に…お前に幾ら貢いだと思ってやがんだ! 500万だぞ!!! それをお前はっ!!!」 物凄い剣幕で怒鳴る津島3尉を他所に、輝は静かに、そして涼しげに笑った。 輝「ククク……馬鹿ね。 セコい男は嫌いっていったじゃん。 だいたいむさ苦しいアンタのどこがいい訳? 鏡見て、私を口説いたら? アハハハハ!」 輝は声を上げて笑ってしまった。 輝に散々、コケにされた3人の軍人は、遂に怒りの頂点に達した。 国防軍1曹「輝、テメェ!!!」 国防軍1曹は、輝の緑のブレザーを右手で掴み、力強く手繰り寄せた。 輝「痛っ!! なにすんのよ、変態っ!!」 国防軍1曹「同期だからと甘く見てれば、調子に乗りやがって!!」 そう言うと、1曹は輝の胸をわしづかみにした。 輝は、その手を振り払うと3人を睨んだ。 輝「あんたら!! こんなことして、どうなるのか分かってんの!? 藤堂兄さんが来たら…」 輝の怒りの言葉を遮るように、3人の軍人が輝に近づく。 国防軍2曹「また始まりましたよ、九条 1曹殿の[藤堂兄さん]が!」 国防軍1曹「日本にいない[藤堂兄さん]が、お前を助けてくれんのかよ~? んん~、府中の嫌われ者さんよ~。 状況分かってんの? 3対1だよ。 3 対 1!! 津島3尉殿! 警衛兵が休憩中です。 ヤっちゃいましょう!!」 1曹と2曹が咄嗟に輝の腕を掴むと、津島3尉は黙って自分の顔を、輝の顔に近づけた。 輝「やめてっっっ!!!」 津島「誰も来ねえんだよ、大人しくしやがれ!!」 万事休すかと思われた………その時だった。 襲われる直前の女と、襲う直前の3人に声をかけた者がいた。 ?「貴様ら……何をしている?」 その声の瞬間、輝の目に明かりが灯り、3人の軍人の顔は 見る見る内に青ざめていた。
/597ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加