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「こりゃあ…ひどいですね。」
「ああ、見たことねえよ、こんなの」
「えっと…お二人が私を読んだ警察の方で…?」
「正確に言えば、《警察学校》の者ですよ。いや、あなたがこの《昭和台小規模地震》の目撃者と聞いたもので…」
「ああ、たしかに見ましたよ。朝4時ぐらいにこの町のシンボル《白銀の巨塔》がいきなり倒れましてね…」
「《白銀の巨塔》は何のために建てられたか知っていますか?」
「…知りませんねえ。」
目撃情報によれば、2月5日、今日の午前4時頃、この町のシンボルとも言える《白銀の巨塔》が倒壊したそうだ。
中にいた塔の管理人は頭を強く打って即死。他に誰が塔にいたのかは不明だ。
そもそも、この塔は何のために建てられたかよく解っていない。
町の人々は、塔について尋ねても、「逆に知りたい」と口を揃えて言う。
この塔も不思議な訳だが、倒壊した理由も不明なままだ。
管理人が倒れていた管理人室に転がっていた震度計は《震度7》を示していたが、この町に地震などあった気配もない…。
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