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少女が訪れた場所…
それは彼女が住んでいた村で『神木』と呼ばれていた桜の巨木だ。
今は冬で、雪も降っているというのに、そんな事は知らぬと言う様に狂い咲きの桜花を咲かしている。
彼女は、桜の前に跪くと血塗れの刀ではなく、懐から短刀を取り出し、己の首へと刃を向けると静かに瞑目した。
その時、
『一族を殺し己すらも殺すと言うのか…、
狂咲の巫女姫よ…』
何処か疲れた、それでいて凛とした老婦人の声が聞こえてきた。
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