一年…5月〇日

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今日から 部活見学が行われる。 あれ以来 遥とは顔を合わせていない。 だから 部活見学の事も伝えてない。 携帯電話を使って 連絡すればいいだって? 『俺』は携帯電話を持ってない。 親が『中学生で必要ないだろ』 って言って持たせてくれないのだ。 まぁー確かに 『俺』には必要だと思った事ないし あったとしても 『俺』の性格上 遥に伝えない可能性の方が高い。 「まぁ、会ったときでいいよな」 『俺』はいつも通りの時間に路地に出ると 章護が元気そうな顔で こっちを見た。 「パッピー」 朝っぱらから 意味不明な言葉から 始まんのか、こいつは。 『俺』は軽く手を上げ 二人揃って歩き始める。 章護はくだらない話を 次から次へと繰り出し 『俺』は欠伸をしながら 黙って話を聞く。 話のほとんど聞き流しているけど。 「あれ、黒川じゃない?」 急に腕を前方に出す。 指先には確かに 見覚えがある後ろ姿だった。 遥だ。 「……あぁ。そうっぽいな」
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