一年…4月●日

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「俺が……音楽を?」 遥からこの様な言葉が でてくるとは正直驚いた。 『俺』がピアノをできる事を知っている 数少ない人内の一人で 『俺』がピアノ嫌いになった理由も よく知っているはずだ。 「もちろん、亞流斗がピアノを嫌いになった事を知ってるよ……」 「……じゃ、何でこんな事を聞く?」 『俺』は間違いなく 言葉に棘のある言い方をしてる。 別に怒る事でもないはずなのに……。 「自分では気づいてないの?」 「気づいてないから聞いているんだ」 「入学式の時、吹奏楽の演奏楽しそうに聴き入っていたじゃない。退場の時しか私は見れなかったけど」 確かに 吹奏楽の演奏は ちょっと関心を抱いていた。 自分でも驚くくらいに。 「私、亞流斗にピアノをもう一度やろって言いたい訳じゃないの。ただ、ちょっとでも音楽……吹奏楽部に興味があるなら、一緒にやりたいかなぁ~なんて思ってたり。」 遥が珍しく歯切れが悪い。 まぁ 『俺』が嫌そうな話だし そうなるのは 仕方ないかもしれない。 「だから、せめて一回だけでもいいから、部活見学くらいは行ってみない?それでも、気持ちが音楽に向かないなら、そしたら私は亞流斗が吹奏楽部に入る事を諦めるから。ね?」  
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