運命の一目惚れ

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あそこで『深雪~!』と叫んでる方々は井上君の保護者かな? 皆は笑っているが、私はあんなに井上君の勇姿に感動している彼らが羨ましい。 私にはもう何かを喜んでくれる人は誰も居ないから。 「それでは、校長先生のお言葉です」 新入生が全て入場して、式は始まった。 「それでは、新一年生の担任紹介です」 ボクは緊張している。 誰か担任の先生になるか。 「一年F組の担任の先生は」 ドキドキッ! 「国語科担当、保坂陽一先生」 ボクは嬉しくて笑ってしまった。 「第50回、清流院高校入学式閉会します。新入生、起立!」 式は無事に終わり、新入生は順番に体育館を出る。 「深雪~!」 「深雪~!!」 「…」 我慢だ、我慢。後でたっぷり怒らなきゃ。 多分、無駄に終わるだろうけど←遠い目 体育館を出たら、すぐに教室に戻る。 「雪。トイレ行ってから戻る」 「うん」 ボクは先に教室に戻る。 戻る。 …戻るよ。 ……戻ります。 ………戻りたいんだけど 「どこ…?」 なぜか迷ってしまった。 「あれ?おかしいな~」 実は極度の方向音痴らしい。 ボクは自覚ないんだけど~← 地図があればいいんだけど、あいにく教室に置きっぱ(泣) 「うぅ~」 「…どうした?」 「…あっ」 .
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