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「着いたぞ」
「あ…ありがとうございます」
着いちゃった。もう少し一緒に居たかった…
「先に入りなさい」
「あ、はい」
深雪が入って、陽一は深呼吸した。
「雪。お前、どこ行ってたんだよ?」
「あ…」
星羅は既に教室に居た。
「先に戻ってたんじゃ?」
「え…えっと…ま…迷っちゃいましたんで…」
「は?迷った?あそこから階段登ればすぐじゃん」
「え…」
「…お前、方向音痴?」
「ち…違うもん?!」
「…はぁ~」
星羅は深い溜息を洩らす。
「席に着け~」
担任の陽一が入って来て、クラスの皆は席に着く。
「え~、入学式での紹介で既に知っていると思うが、私は一年F組の担任になりました、保坂陽一です。一年間、よろしく」
先生が自己紹介している最中
「先生、格好良くない?」
「うん」
女生徒達の陽一への賛美に深雪は…
「…モテるんだ」
そりゃ、あんなに格好良いんだもんね。
女の子が放っておかない。
男の子のボクが男の先生を好きになっても、彼女達には敵わない…
一方、陽一は
「一年間よろしく」
これから一年間受け持つ生徒達に紹介している最中、陽一はずっと深雪を見ていた。
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