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さて、授業も終わり、HRもすんだころで。
私と坂下はもくもくと掃除に取り組んでいた。
「おい 植松」
坂下がちょっと低い声で私を呼ぶ。
教室には掃除をしている私と坂下だけ。
校庭からは部活をしている生徒達の掛け声が聞こえる。
「ん?なんだい?」
私はぎこちない返事を返した
「その…さ 詠美と圭ってやつそんなに良い感じなの?」
「…え!?」
あれ…
「だから!」
これはもしや…
「えっーと」
もしかして坂下…
「聞いてんの!」
「坂下ってもしかして…詠美のこと好き…?」
耳と顔が一気に真っ赤になる坂下。
瞬時に私から目をそらす。
分かりやすいなぁ~…
「すっ好きじゃねーし!幼馴染として聞いてるだけだし」
相変わらず顔は真っ赤で、私から目をそらす。
「でも!あいつに彼氏ができるわけねぇもんな!」
「わかんないよ 詠美可愛いし
優しいし この前圭くんとすっごい良い感じだったもんなー」
ちょっとからかってみちゃったり…(笑)
「・・・」
坂下は黙り込んでしまった。
「私が言うのもなんだけど…早くアタックしなくちゃ、本当に圭君の彼女になっちゃうかもしれないよ」
「わかってるよ」
やっぱり…坂下は詠美が大好きなんだ。
「でも…いっつも素直になれねんだよな…あいつの前だと」
その言葉をいう坂下はどこかとっても切なそうで。
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