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水溜まりのなかに月がある。/水溜まりの月がひかる。/誰か、水溜まりを指さして言う。
『水底に沈むのは逆さまの背徳の街』
‥光りが満ちる。/玲瓏と水溜まりの街を覆う。/きっと、水溜まりの向こうにぼくはいる。
光りはあふれる。
きっと、ぼくは逃げ惑う。/月に浸され、その光りに溺れる‥。/目をつむり、目をあける。
涙があふれる。
水溜まりの向こうの、ぼく。/溢れて、溺れてしまった夜の街。/夜空に静々と、小さな夜の月。
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