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―――はなび社長!?
スポットライトを浴びた社長は
「それでは皆様ごゆっくりどうぞ」
と締めた。
すると、辺りはまた明るくなり、より一層賑わう。
壇上から降りて来た、はなび社長に声を掛けた。
「しゃ、社長!」
他の招待客達と軽く談笑していた、はなび社長が振向く。
「これはこれは、ヨガウサさんじゃないですか。楽しんでますか?」
「お陰様で楽しくてしょうがないです!来て良かったです!それと…」
私は○○物語のデジ化の書類を無造作にポケットから取出す。
「あのっ!コレ、仕上がったんで持ってきました!」
「これは…。コホン、ありがとうございます。感激です~!」
はなび社長は大切に16回折りしてあるクシャクシャのデジ画をハンドバッグにしまう。
「それから!」
私は感謝のキモチを伝いたくて再度、口火を切る。
「あの…三行リレー企画してくれて、ホントにホント~にありがとうございました!」
「あぁ!喜んで頂き、光栄です!」
「パーティ終ったら参戦しようと思います。元々絵本作家志望なんで動物描く機会がやってキタぁ!って内心思ってます!全部完結したら絵本リメイクしたいっす!」
社長は顎に人差し指を当て、少し考えた後…
「チワワはまだブームでしょうか?」
私も少し考え…
「ダックスフンドだとベタですかね?」
ヒュルルルー……ドカン!
バチバチバチ
突然の音に会場の皆が、窓越しに外を見る。
花火だーー!
「社長!サプライズ凄過ぎますって!」
「今日、雨降らなくて良かったです。折角なら壮大な方がいいかなぁって。では残りの時間もわずかですが楽しんで下さいね。」
社長はまた他の招待客に軽く挨拶巡りを始めて行った。
私は花火を良く見る為にテラスへ向かう。
でもテラスは…既に満員だった。ヤルセナイ気持ちになった私は
「えぇい!外出るぞー!」
と出入口へ急ぐ。
ドテッッ!
勢い良く躓いた。
「いってぇ~…恥ず過ぎる…。」
振向くとお守りがあった。
「わ、忘れてた!幸福が逃げちゃうトコだったぁ!」
大事にお守りを抱えて出入口へ小走りする。
ドア、どうやって開けようか…?
その時、ドアがゆっくりと自然に開いた。
「…ヨガット兎(笑さん?」
そ、その声は…
「兎斗ちん!?」
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