序章

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『初めから決ってた事、なんですけどね』 そう、静かに告げた彼の瞳は、 口角の上がった口元とは裏腹に、 獲物を見据えて放さない肉食獣のようだった。 ―――逃げたい ―――動かなきゃ そう思うのに 足は床に縫い付けられたまま。 ただ、 ぎゅっと握った自分の拳だけが 小さく震えていた。 .
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