「ヤンキー娘は迷路が苦手」

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「確かにちょっと大きかったけど、なんでこんなのあるんだよ?」 「たまに姉が泊まりに来ますから。着替えを置いていくんですよ。」 「で、私の下着はどこにある?」 「今、洗ってもらってますから、あと一時間ぐらいすれば返ってきますよ。」 「あ、洗ってもらってって誰かに頼んだのか!?」 「制服に血が付いてたのでクリーニングに出しました。一階にクリーニング屋があるんですよ。終わり次第持ってきてくれることになってます。」 「そ、そうなのか。なんか悪いな。高いんだろ?」 「ああ、気にしないで下さい。それより、お腹は空いてませんか?」 「ちょっと、空いてる。」 なんて、少しずれた2人の時間は、佐々木の作った手料理を食べながら過ぎていった。 次の日・・・ 「おい、これから用事あるか?」 そう声をかけられたのは昼休み。園田から話しかけられたのは初めてだった。 「え?いや、お弁当食べて本読もうかなって思ってたぐらいですけど。」 「ちっと、弁当持って付いてこい。」 「えっと、はい。」 教室から出て行く際、どうしたのか分からず、言われたまま弁当を持って付いていく佐々木に同級生からは「ついに目を付けられた」なんて同情的な視線が向けられていたのだが、 そんな事には気づかず、佐々木は園田の後をついて行くまま校舎の外へ出ていた。 学校の裏にある非常階段、そこまで行くと園田は階段へと腰を下ろした。 「何かご用でしょうか?」 「まず、隣に座ってくれ。」 「はぁ。」 佐々木が座るのを待って、園田が話し始める。 「あの、えっとな、」 「はい?」 「コレを・・・食え。」 そう言って差し出された物はラップに包まれた厚めのパンだった。 「食パン・・・ですか?」 「・・・・食べて、欲しい。」 「?いただきます。」 ずいぶんグルグルと巻かれたラップを外して一口、 「ああ、サンドイッチだったんですね。美味しいです」 「そ、そうか!」 「ハムとレタスって好きなんですよ。」
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