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「だよな!あれが一番美味いよな!」
「それで、このサンドイッチがどうしたんですか?」
「昨日のお礼だ。何か礼はしなくちゃと思ったんだけど、何をプレゼントしたら喜ぶのか分からないし、そんな金もない。だから、手作りで・・・と思ったんだけど。私、料理したことないし・・・。」
「あぁ、そうだったんですか。気にしなくても良かったのですが。それに、プレゼントならどんな物だって嬉しいですよ?このサンドイッチだって、僕の為に作ってくれたのならすごく嬉しいです。」
「そ、そうか。」
「マスタードも塗ってあって美味しいですね。」
「恥ずかしいからさっさと食ってくれ。」
「あまり急いで食べるともったいないですよ。」
「いいから、頼む。」
「じゃあ、僕のお弁当もどうぞ。唐揚げなんて美味しいですよ。」
「お、悪い。ああ、本当に美味いな。コンビニのより美味い。って、これはなんだ?」
「昨日のお礼のお礼です。」
「バカか!キリがねぇじゃねえか!」
「そうしたら、また一緒に食べれるじゃないですか。ね?」
「う・・・そ、そうだな。そんなにお前が私と食べたいって言うならまた作ってきてやる。何か食いたいのあるか?」
「じゃあ、またサンドイッチを。」
「こんなんでいいのか?」
「園田さんが好きな物を食べたいですから。」
「は、恥ずかしいことを平然と言うな!」
「あはは、高校に入ってからはあまり人と一緒に食事をしていなかったのでこうやって食べるのも楽しいですね。」
「私と一緒なのにか?」
「園田さんは見ていて面白いですから。」
「初めて言われた。そんな事。」
あれから、教室に帰って、心配した同級生に「大丈夫か?」とか「何かされたか?」とか質問攻めになったが、「大丈夫ですよ?」の一言で「口を封じられた」と騒ぎになったのだが、当の本人はそんな事など気にせず、二人は度々話すようになった。
園田が恥ずかしがるので、自然とあの非常階段で会うことになり、一緒に食べたり話すことが増えた。
「園田さんはどんなテレビ見るんですか?」
「う~ん、そうだな?ドラマとかよく見るな。」
「ドラマですかぁ、じゃあ今度見てみますね。」
「そうゆうお前はなに見るんだ?」
「僕はあまり…学校に行く前に食事をしながらニュースを見るくらいで…」
「そういえば、いつも自分でメシ作ってるんだろ?メンドくないか?」
「初めは大変でしたけど、さすがに今は慣れました。」
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