まるで恋のような

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「…早く!もう始まるって!!」 「うっそ、まだ化粧してないよ!?」 「もーいいから早く!!」 バタバタッと走って行く女の子達。 ぐるっと周りを見渡すと他の生徒もざわざわと話しながら走っていく。 「………何これ?」 ――― 今日はこの鶴岡高校の入学式。 鶴岡高校――、通称ツル高は偏差値高めの進学校。 でも文武両道、という学校目標から部活にも気合いを入れてて運動部、文化部問わず多くの賞をとっている。 私、春沢鈴(ハルサワ スズ)は今日この学校に入学した。 ツル高をえらんだ理由は簡単、家が近いから。 勉強はまあそこそこ出来たし、部活は特にやりたいこともないから入学したらバイトを始めてみたい、と考えていたのだ。 「…春沢さんっ!」 「え?」 呼ばれた方に目を向けるとそこには、にっこり笑う女の子の姿。 「私、新田まみ(ニイダ マミ)って言うんだ!春沢さんと同じクラス。」 「そ、そっか!えっと…よく顔と名前分かったね?」 入学式が終わってクラスに行ってからまだ名簿が配られただけで自己紹介もしてない。 …だから、まだ顔と名前が一人も一致してないのは私だけではない、と思う。 「だってまみ、入学式からずっと目つけてたもん!すっごい可愛い子がいるなあーって」 「そ、そんな言うほどじゃないよ。新田さんの方が可愛いと思うし」
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