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声音が攻撃的になる。よほどご立腹のようだ。
けど、これぐらいで引くならそもそも逆らっていない。俺は負けじと睨み返す。
すると、何故か父さんはにっこり笑った。
「……お前も、反抗期という年頃か。……寂しくなるな」
「…………」
おかしい。気味が悪い。逆に機嫌が良くなるなんて。
絶対に、何かがあると思った。そして、実際に何かあった。
それも、予想していたよりも、最悪な事態が。
†
「おかえりなさい、お兄ちゃん。あ、おかえりなさい、お父さ……きゃっ!?」
家に入った途端、父さんが妹の千春の腕を掴み、床に押し倒す。
「!!?な、にしてんだよ!?」
「そりゃあ、千鶴が私の相手をしてくれないとなったら、相手は千春しかいないだろう?」
何て野郎だ。やはり、人間の屑だ。
千春は父さんの下で震えている。俺と父さんのやっていたことを知っているだけに、恐怖なのだろう。
「お兄ちゃ……助け……」
涙目で訴えて来る千春を見て、俺は動けないでいた。
父さんは不敵な笑みを浮かべながら、千春の服を脱がして行く。
神経を疑う。自分の娘の服を、笑いながら脱がせられるなんて。
けど、俺がいくら気違いと思っていても、父さんの手は止まらない。
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