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「な………殺さ………た……か……」
「何で殺さなかったか?
それは、あなたの事が好きだったから殺せなかったのよ!あの子は!!」
王子は、人魚姫が自分の事を好きだったのだと聞き、絶望と後悔の涙を流しながら息絶えた。
「今更真実を知って後悔しても、人魚姫は帰って来ないわ。
…まぁ、死んだ人間に言っても、もう聞こえないけどね。」
「それじゃあ、王子は魔女の所へ…。」
人魚達はかぎ爪に刺さった王子を引き離し、海の魔女の元に向かって泳ぎ帰った。
魔女の住み家にたどり着くと、入り口で魔女が待っていた。
人魚姫の復讐(姉達の中では)を果たし、少し疲れた様子の姉達を見て、魔女はニヤニヤしながら自分の住み家に招き入れた。
「約束の物を持ってきたわ。」
人魚達は、魔女の前に投げ捨てる様に王子の亡きがらを渡した。
「おおっ、待っていたよ!
これでお前達とは取引完了という事だ!
これでお互い願いが叶ったという事だね。」
「それでは。魔女、あなたには二度会う事もないでしょうね。」
人魚達は暗い海の魔女の住み家から早々と自分達の住み家に戻っていった。
「………帰ったね?」
魔女は周りを見渡し、誰もいない事を確認した。
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