第1章

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姉達は、ポセイドンに人魚姫の一連のいきさつと結末を話しました。 「王よ、我らの父よ。 貴方の可愛い人魚姫が人間ごときに殺されたも同然な報いをうけ、このまま見過ごしてしまうつもりでしょうか?」 「可哀相な人魚姫…。 さぞかし無念だったでしょう。 大きなリスクを背負ってまで頑張ったのに…。」 姉達は、怒りと悲しみで、目を真っ赤にさせながらポセイドンに訴えかけました。 「………。」 ポセイドンは、深くため息をつきながら、しばらく腕を組み、考え込みました。 「何を迷われているのですか! それでなくとも人間達は私達の生きる世界を汚し、揚げ句の果てには埋め立て、領土を奪ってきた! これまでは我慢してきたけれど、私達の家族が人間のせいで亡くなるとは…」 「ならば問う。 何故、人魚姫は憎きはずの人間になろうとしたのだ?」 姉達の怒りの叫びを遮るかの様に、ポセイドンは静かに問いかけた。 「そ…それは………。」 先程までとは打って変わり、姉達は皆、下を向き、ボソボソと口ごもった。
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